自分自身を見つめることは自己理解や成長につながることがあるため、適度に行い、
現実の問題にも目を向けながら、バランスの取れた生活を送ることが大事だと思います。
自分探しをするために旅に出る、という話をよく聞きますね。私も20代で留学をした時、
今から思えば、自分探しをしたいという気持ちがあったのかなと思います。ただ、実際に
異国の地で生活しているとそんな意識は完全になくなってしまい、いろんな経験をしつつ
最後は「あー楽しかった!」という気持ちだけが残った印象です。で思うんですけれども、
自分探しは意識して行うことではないのではないかと。なぜなら自分探しをすることだけに
とらわれてしまうと、現実逃避して自分自身を見失い行動できなくなったり、自己中心的な
考え方に陥って周りとの関係性が悪くなったり、自分が欲しい答えがすぐに見つからないから
といって自分自身や自分の置かれている環境に不信感を持つようになってしまうなど精神的に
悪影響しかないと思うからです。自分探しに時間をかけた結果、見つからなかったらどうなる
でしょうか? それこそ激しく落ち込みますよね。立ち止まって自分をどれだけ深掘りしてみて
も、自分が欲しい答えが見つかるとは限らない。むしろ見つからない可能性の方が高いです。
それは、人間は成長し続ける生き物であり、経験や知識を積み重ねることで、自分自身の
考え方や信念が変わることがあるからです。年齢や人生の段階によって価値観さえ変わること
だってあります。若い時には事なかれ主義の保守的な考えで生きていた人が、パートナーを得
て子育てを経験することで社会の中で挑戦することを覚えていったり、世界情勢の変化によっ
てそれまでの考えや価値観をガラリと変えられてしまうこともあるわけです。しかしだからと
いって過去の自分と今の自分が違う存在になるということではありません。生きる中で自分自
身が成長し、新しい見方や考え方を身につけていくことは生きるために必要なことであり、
それこそがかけがえのない経験となります。価値観は人間の内面を形作る大切な要素であり、
変化し続けることは、より良い人生を送るために必要なことだと思います。
自己理解は大事だけど自分を探し続けることにはあまりこだわらず、今日一日一生懸命生きて
やるんだ、楽しく生きるんだと、そんな目線になる方がずっと幸せを感じられると思います。