資格を取得することに対して、「実際の業務には役に立たない」という声をよく耳にしますが、そんなことはないですね。
資格を取得することで、まず自分自身に自信がつきます。「資格を取れた自分」という実績が仕事に対する積極的な姿勢を促し、難しい問題に直面しても「これまでの努力で資格を取れたのだから、この問題も乗り越えられる」と前向きに考えられるようになります。このような心理的な効果は、仕事の質を向上させ、さまざまな局面での問題解決能力を高めます。
私自身、働きながら40代でMBA(経営学修士)を取得しました。MBAは厳密にはビジネス学位であり、伝統的な意味での資格ではないかもしれませんが、学んだことを実生活やキャリアに活かす点では、資格取得の利点と重なりますので資格の範疇に入るでしょう。MBAを取得したことで、社会に対する意識が格段に高まり、日々流れてくる情報にどう向き合うか、自分の立ち位置をどう見定めるかが明確になりました。例えば、日経新聞の記事を読む際も、以前よりも内容を深く理解できるようになりました。さらに、情報の真偽を見分ける能力が養われ、「本物と偽物の区別がつくようになった」とも言えます。この力は仕事以外にも無意識に生かされているように思います。
さて、資格取得がキャリアや個人的成長にもたらす具体的な利点をさらに掘り下げてみましょう。
- 専門知識の習得:資格を取る過程で得られる専門知識は、その分野での課題解決に直接役立ちます。専門的なスキルが求められる場面で、自信を持って対応できるようになります。
- キャリアアップ:現代では多くの職場で特定の資格を持つことが昇進や昇格の条件となっています。資格を取得することで、それらの機会にアクセスしやすくなるだけでなく、より高い給与を交渉する際の有利な材料となり得ます。
- ネットワーキングの拡大:資格を取得する過程や関連する研修で出会う人々は、将来的なビジネスチャンスや情報交換の場となり得ます。同じ目標を持つ仲間とのネットワークは、仕事だけでなく、私生活においても支援となることが多いです。
- 個人的な達成感:資格取得は、自己達成の源となります。自分が目標に向かって努力し、それを達成したという実感は、今後のあらゆる挑戦に対する自信となります。
自分の目標を見定める中で、そのプロセスのひとつとして資格を取得するという行動は決して無駄ではありません。むしろ多岐にわたる利点を享受することができます。キャリアの展望が広がり、特定の資格を持っていることで、人生に新たな扉が開かれるチャンスが訪れます。また、専門的な知識を有することで、職場内外で尊敬される存在となり、プロフェッショナルとしての信頼を築くことができます。さらに、批判的思考能力や問題解決能力を磨き、それが直接的な業務の改善や効率化につながることもあるのです。
資格取得は自分自身への投資であり、自己成長と専門性の向上に役立つ重要なステップなのです。